利息が障害に マイナス金利解除で設備投資に負担…鬼怒川温泉の復活再生に“暗雲”【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2024年3月27日)
日銀がマイナス金利政策を解除し、東京の奥座敷・鬼怒川温泉にも影響が出ています。
■「熱海、箱根、伊香保でも」全国の温泉地“廃虚”急増
栃木県日光市にある鬼怒川温泉。都心から電車で2時間ほどの場所にある人気の温泉地ですが…。
旅館経営者 沼尾柾志さん(49)
「このような状況ですと雨風が入ってきて、建物が傷みます。このテーブルとかカーペットとかすべて取り換える」
こうした廃虚が増え始めたきっかけは、バブルの崩壊でした。
宿泊客は1993年の340万人をピークに減り続け、コロナ禍の2021年には4分の1にまで落ち込みました。
沼尾さん
「こういう建物は鬼怒川だけでなく、熱海、箱根、伊香保でも、全国の温泉地の共通の問題です。こういった問題を解決しないことには、本当の意味での日本の再生はできないのではないか」
この地で代々、旅館業などを営んできた沼尾さん。廃虚となった建物を買い取って復活させてきました。
■“利息増”で立ち行かなく可能性も…
コロナが5類に移行し観光客が戻りつつある今こそ、積極的に投資をしたいところですが…。
沼尾さん
「設備投資の金額が少なくとも数億円から100億円単位の投資になる。金利は最重要な部分、経営に対するコストのウェートが非常に高くなってしまうということで、難しい問題だと思います」
日銀がマイナス金利を解除したことで金融機関から借り入れる資金の利息が増えれば、今後の再生計画が立ち行かなくなる可能性もあるといいます。
当面、「緩和的な金融環境が継続すると考えている」とも述べている日銀の植田総裁。沼尾さんは今後の動きを注視しています。
沼尾さん
「地方の人間として再生の途中にある中で、金利を引き上げたり、金融の引き締めを行うことは急ブレーキをかけることですから、今はそういった無茶な政策はしてほしくないということをお願いしたい」
(「グッド!モーニング」2024年3月27日放送分より)
[テレ朝news]