日本初の月面着陸なるか 探査機にはシャープが開発の“フィルム状”太陽光パネル搭載(2024年1月19日)
成功すれば日本初の月面着陸です。
去年9月、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた小型の月面探査機「SLIM」。4か月あまりかけて、いま、月の上空600km付近までやってきました。今週、SLIMが撮影した月面の写真には月の大きなクレーターが写っています。ついに1月20日未明に月に着陸する予定です。
今回は日本独自技術を使って、1本の足で月面に触れ、次に残り4本の足も使って斜面に倒れ込む「2段階着陸」という方法で着陸します。
月面着陸は今も技術的に難しく、これまでに成功したのは旧ソ連・アメリカ・中国・インドの4か国だけです。
(JAXA研究開発部門 河野太郎さん)「『本当にこれにすんの?』『大丈夫?』って当事者も思いながら。ただ計算していくとやっぱりこっちの方が最終的な成功確率が高そうという合理的な判断があった。将来に役立つ技術を作ってきたということで進めてきましたので。ただやっぱりかなり緊張しています」
そんなSLIMを独自の技術で支える企業が関西にあります。家電メーカーのシャープが開発したのは、フィルム状の宇宙用太陽光パネルです。SLIMは燃料で動きますが、地球との交信などには、この太陽光パネルで発電した電気を使います。
(シャープエネルギーソリューション 高本達也さん)「宇宙に対して厳しい試験内容がありますので、クリアするために何度も改良を加えた」
探査機や人工衛星などに搭載する太陽光パネルは、いかに軽量化しつつより多くの電力を作り出せるかが課題でした。60年以上太陽光パネル事業に携わり、過去にも190基以上に搭載してきた実績を生かし、通常は基盤があって硬いパネルを、約10年かけて薄いフィルム状にしました。これにより、SLIMのいびつな形に合わせることができました。
(シャープエネルギーソリューション 高本達也さん)「月面着陸は日本初ということで、長いことかけて試験して搭載していますので、ぜひ成功してほしいと願っています」
日本初の月面着陸は、20日午前0時20分ごろの予定です。
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