半首、悪党の面構えを自作する
半首、または半頭は平安時代後期から武士が使っていた鉄や皮革に漆を塗って強化した面具です。
半頭の読み方、昔は「はつむり」。「つむり」すなわち頭の半分をカバーする防具と言う「半つむり」が「はつむり」なったのではないかと思われます。漢字表記も半頭が半首に変わり、読み方もさらに転訛して「はつぶり」、そして今や「半首」は「はっぷり」と読む場合が多いようです。
これを着けると、誰でも悪そうと言うか、強そうに見えますね。武士がこの半首を着用して戦っていた頃の「悪」は現代で言う悪者よりも、例えば源義朝の長男「悪源太義平」のように「強く猛々しい」者と言う意味合いが強かったようです。ただ半首を着けたまま弓を引くと、矢を放った時、弦が半首の後ろ縁に引っかかりそうで、実験するときは少し緊張しました。
この半首は2021年5月11日にダイソーで買った怪人マスクを元に3mmアルミ線と紙でベースを作り、FRP(繊維強化樹脂)で成形しました。使ったのは東急ハンズで買ったカーボンファイバー(炭素繊維)と、不飽和ポリエステル樹脂。製作の工程は動画をご覧ください。工具はハサミやカッター、刷毛や平筆、割り箸や楊枝、紙コップなど特別なものは使っていませんが、FRP の張り込みは慣れないと少し難しいと思います。