Kafka「世界を燃やしてよ。」 / (Burn down the home)
第一話
絡まった指先が解けなくて
吐き出した溜息は実と生って
つくろった言葉に落ちていく
悲劇ってかみさまのしわざで
課せられた役を背負っている
何となく選びとった
無価値なこの痛みが牙を剥く
愛してる、愛されてる、の境界線
わたしの揺れ動くこの穴を埋める誰かの言葉を
ただ乞う
どんなに笑えなくても笑うしかない、それは君の生だ
望めば望むほどにもう遠くなっていく
手には入らないね!
じゃあもやせすべて
かこもいまもみなきえてくれ
そらにおちるはいと
きみのきずあとかくすやさしさ
燃やしてしまったんだ
祈っていよう
愛してる、愛されてる、の境界線
わたしの揺れ動くこの穴を埋める誰かの言葉を
ただ乞う
Music,Words,Movie / 犬飼
Illustration / みさき
off /
自身は慈愛を知らず、片割れは赫怒を孕まず。九夏の夜に焼け落ちる灰を眺めているだけで、旧知の悲壮な結末を懐うだけで、この目には、焔より黒く、藍より深い厭悪が宿る。
もう帰る場所はなくなってしまった。
故に、あとは祈るだけだった。
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